第39回 海南市 T様「文化財?の管理人」

海南市は、県庁所在地・和歌山市の隣で、古くは漆器やシュロを使ったほうきやたわしなどの家庭用品の生産が盛んな地でした。現在も漆器づくりをしていた街並みや、家庭用品の会社などがあります。

文化財のような家

今回お伺いしたT様は、近くにある老舗酒造会社の別邸を借りて住まわれています。
建築は昭和初期で築80年ほど経っており古さは否めませんが、さまざまな意匠を凝らした細工が施されており、文化財に匹敵するような凝ったつくりになっています。

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応接間。凝ったステンドグラス・窓・天井。
壁は地域特産のシュロを練りこんだ珍しいもの。

25年ほど前からは使われていなかったようで、部屋には埃がつもり、山の斜面を生かした庭も草木が生え放題になっていました。
しかし日本建築に興味のあったT様は、一目でこの家に惚れ込んでしまいました。

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美しい内縁に囲まれた和室。

家主に「ラブレター」

これほどの建築なので、家主も他人に貸すつもりはなかったのですが「先々代の資産なので、何か有効に使う方法はないか?」と当社に相談いただいていました。
そこでご紹介したのが、陶芸家でもあり日本建築にも造詣が深いT様。それまで別の借家に住んでいましたが、「T様ならこの家を生かせるのではないか?」と家主の案内で見ていただきました。
この家に惚れ込んだT様は、いかにしてこの家に大切に住むか、庭を整備するかをしたためた「ラブレター(T様談)」を、当社を通じて家主様に送るなど大変気に入っていただき、家主様も熱意にほだされて賃貸することになりました。

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漆塗りの障子枠、明かり取り、折上げ格天井など、凝った造り。

庭と楽しい格闘

家の中は入居前に掃除と簡単な補修をしたのですが、庭木は大きくなりすぎて日があたらず、草は生え放題。T様の格闘が始まりました。
庭といっても、近所のご老人に聞くと「離れに使用人が2家族住み込んでいた」「ちょっとした公園のような庭園だった」というほどの広さ。まずはチェンソーを手に入れて使い方を覚えるところから始まりました。家主の了承を得て剪定・伐採し、何とか日が当たるようになりました。
一見すると生え放題ですが、草木の種類を見ていくと趣向を凝らした庭だったことがわかりました。植物が好きなT様は、大変な作業も一つの楽しみにされています。
入居してから2年経った今も手入れは続いていますが、まったく元通りは無理としても、当時の庭の良さを残しながら整備していきたいとのことです。

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野菜は自給自足

敷地の一角の斜面に、段々畑がありました。前の家でも野菜を作っていたT様は、さっそく野菜をつくりはじめました。段々で日当たりも良く、また水道も引かれていたのでたくさん収穫できるようになりました。
自然農法にこだわり、現在は30種類ほど作られているようです。
おかげで野菜はほぼ自給自足、たくさんできたときは直売所で販売できるほどだそうです。家を探すときも「家庭菜園ができるところ」との希望があったのですが、それも満足されています。

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庭続きの畑。珍しい「大浦太ごぼう」の花。種をとって、自然農法に取り組んでいる人と
交換するそうです。藍を育てて藍染にも挑戦予定。

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ちょうど花が咲いていたキュウリ、トウモロコシ、ズッキーニ。形がきれいでなくても、
少しくらい虫に食われていても、
安心で獲りたての野菜は何物にも代えがたい。

憧れ以上の建築に感動

さて家のほうは、職人の技術の粋を生かしたような造りで、傷めるわけにはいけません。応接間のステンドグラスはもちろん、窓ガラスも凝ったもの。床框だけでなく障子の枠まで美しい漆塗り。畳縁も麻の本藍染。家の内外にあるさまざまな意匠。見れば見るほど、「どれだけ手がかかっているのだろう」とT様は感動しました。

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床框は美しい漆塗り、床壁には金箔を使って松の木のような紋様を付けています。

T様は「普通ならこれだけの家に住むことはできないでしょう。気分は文化財の住み込み管理人ですね。」とおっしゃっていました。

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質素な感じながら、よく見ると屋根や格子、雨どいにさえ意匠が凝らされています。
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広い玄関内には、ご主人の自転車も入ります。窓も凝ったもの。

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決して華美ではなく品のある赤い漆塗り。
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庭にある防空壕。戦中、近所の人も空襲警報の度に避難したそうです。

「憧れていた以上の家に住めたのは何かの縁。家主に出て行けと言われるまで(笑)、大事に住みたいと思っています。」とT様。
まさに借主と家主の気持ちが合わないと実現しなかった、仲介冥利に尽きる組み合わせの物件でした。

第38回 すさみ町 井上様「太陽光発電所」

今回のレポートは「田舎暮らし」ではなく、なんと「太陽光発電所」をすさみ町に作られた井上様を訪ねました。すさみ町は白浜町の南隣、「ケンケンかつお」やイセエビなど海の幸や、「イノブタ」で有名な町です。カツオやイセエビをPRしているため海沿いの町と思われますが、山間にも集落が点在しています。しかし山間部には平野部が少なく、人口も減りつつあります。

井上様は、そんな山間部にぽっかり空いた小さな集落に適地を見つけ、個人レベルでは非常に珍しい太陽光発電所を作られました。

■太陽光発電所を個人レベルで

「太陽光発電所」というと大企業が作るメガソーラーを連想しますが、小規模ながら個人事業所レベルで作ってしまいました。

井上様は大阪で電気工事会社を経営されており、太陽光発電の施工も行っています。

そのため、クリーンエネルギーである太陽光発電が環境にも優しく、次世代のエネルギーであることは熟知していました。

発電所全景

■縁があった土地

数年前、別件で近くに来た時に道を間違えてこの地を通りかかったとき、「山あいなのに日当たりのいいところだなあ。ここなら太陽光発電に向いているのでは?」と思いました。

そんな中、産業用太陽光発電の買い取り制度が決まり、井上様は太陽光発電所を作ろうと場所を探し始めました。
太陽光発電所を作るには、いくつかの条件があります。

・日当たりが良いこと(当たり前ですが)。
・海から離れ、塩害などの心配がないこと。
・ある程度の広さが必要なので、値段も高くないこと。
・農地では転用の手続きが必要なので、田畑でないこと。
・太陽光パネルを設置するので、地面が固いこと。

広くて田畑でなくて安価な土地はなかなかありません。

当社のホームページを見て頂いた井上様、以前に見た現在の土地じゃないか?という物件を見つけました。さっそく電話して確認したところ、どうも前に「いいな」と思った所。

海から離れており、山間には珍しく日当たりも良く、以前は養鶏場だったため広い土地に平坦ではありませんがコンクリートを打っています。

思い描いていた条件にぴったりで、以前にたまたま見たことも何かの縁と購入することになりました。
発電所の前で。

■難関を乗り越え発電所完成

さて、土地は見つかったのですが、ここからが大変。工事自体は普段の仕事でもあるので、できる目処はあります。

しかし、いろいろな届け出が難しい。大企業の作るメガソーラーと違い、前例はありません。和歌山県内でも初めての試みだったため、非常に苦労したそうです。

苦労を乗り越えて完成した太陽光発電所は、552枚のパネルを並べた82.8kWhの発電所。個人事業所レベルでは非常に珍しく、見学に来る人も後をたたないそうです。
太陽光発電パネルの裏側

■地域を少しでも元気にしたい

そして井上様には夢もあります。

この地に決めたのも何かの縁、と、大阪に住んでいる井上様は来るたびに近所の方に挨拶に立ち寄るそうです。
しかしこの地は過疎化が進み、高齢化が進んでいます。隣にある立派な石垣を積んだ家も廃屋になっています。

自分自身も将来は会社を息子さんに任せてこちらでも住めるようにしたいそうですが、この地に縁があったこともあり、「出て行った人が戻ってこられるところにしたい、せめて年に1回でも」と、発電所のまわりに桜を植え、春にはお花見ができるようにしようと計画しています。

また、空いた土地で何か生活の糧になるものができないかと研究中だそうです。

立派な石垣がありますが、すでに廃屋。

今は南紀田辺ICから山間の道を1時間以上かかりますが、2015年頃には高速道路がすさみまで延伸され、すさみICからは20分程度で来ることができるようになります。

「便利になるので、Uターンする人や、Iターンする人が住めるところにしたい」という夢を、太陽光発電所を縁に考えています。

和歌山で暮らそう。

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第37回 海南市 I様「平日田舎事務所」

前回に続いて海南市ですが、今回は海寄りの山上にある別荘地にあるI様宅をご紹介します。

県庁所在地・和歌山市の隣の海南市ですが、ミカン山を登った山頂にあるので静か。和歌山市内を見下ろす高台で、紀伊水道を越えて淡路島や四国まで見渡せる最高の眺望です。

■「平日田舎事務所」
いつもご紹介しているお宅は、移住されている方が中心、そして週末田舎暮らしの方が多いのですが、今回訪れたI様は少し違います。この家を「平日田舎事務所」として使うという、新しい形の田舎暮らしでした。

I様は和歌山市内在住の機械関係のエンジニア。現在は独立してお仕事をされています。以前は市内に事務所を借りていましたが、娘さんも大学生になって家を出たこともあり、「事務所の家賃を払うなら、いっそのこと静かなところの家を買って事務所にしたらどうだろう?」と、今年になって探し始めました。

そこで紹介されたのがこの家。別荘として最近まで使われており、すぐにでも使える状態の物件でした。

ログハウスのリビングに薪ストーブ
■眺望・ログハウス・薪ストーブ・・・一目で即決
自宅から近いのに初めて来た見晴らしのいい別荘地。紹介された物件は、ログハウスのリビングに薪ストーブ、広いウッドデッキなど、申し分ありません。別荘地に入ってくる道が少し狭いですが、オフロードバイクでのツーリングも好きなI様には抵抗もありません。インターネットが引けることを確認して即決しました。

購入してからログハウスの外壁やウッドデッキを自分で塗装したくらいで、ソファーやベッド・洗濯機なども残っており、すぐにでも住むこともできる状態でした。

自家用車で少しの荷物を持ってきただけですぐに事務所として使い始めることができ、静かな環境は仕事にもぴったり。眺望もいい静かな環境で鳥の声を聞きながら仕事をするのは、まさに「リゾートオフィス」です。

和歌山市内は足下に、淡路島や四国も一望。特に夕日は最高。
■趣味にも最適・最高の眺望
山上にあるので、趣味のアマチュア無線では岡山まで電波が飛び、大学時代の友人と話ができるそうです。またウッドデッキに天体望遠鏡を出して星空を眺めるのもお気に入り。

なんと言っても淡路島に沈む夕日と黄金に輝く紀伊水道が最高に美しく、「ここにしてよかった!」と実感。

平日はこちらに泊まることが多いそうですが、自宅までバイクで30分ほどなので、奥様も安心。

毎週末には周辺の別荘も賑わいます
30軒ほどの別荘地ですがいつも居る方は少なく、平日は静かで仕事に集中できます。毎週末には近くの人も来て賑やかになるので、それほど寂しくはありません。

自治会もあるそうで、先日もみんなで草刈りをするなど周辺も比較的綺麗に保たれています。

仕事場としてはもちろん、趣味のアマチュア無線や天体観測などにも最適。和歌山市内からも近いので、家族や友人も来てバーベキューをするなど別荘としても大活躍の家。

「こんな物件に出会えて良かった」という、お気に入りの「平日田舎事務所」でした。

和歌山で暮らそう。
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第36回 海南市 N様「ジャストサイズの家」

海南市は、県庁所在地の和歌山市の隣で、海にも面した市です。もちろん市街地や周辺には大型スーパーやホームセンターもあり、和歌山市まで行けばさらに大きなお店もあります。

今回訪れたN様のお宅は、海南市でも山間にあり、柿畑が広がる斜面を上がった、見晴らしのいいところでした。

もともと大阪方面にいらしたのですが、数年前に和歌山市内に引っ越してきました。

もともとキャンプなどアウトドアが好きで、引っ越してからは特に和歌山にの良さを感じていたN様。お子様が大学生になり、犬を飼い始めたこともあって、街中ではなく田舎にいってみたいと思うようになりました。

雑誌をみたりしていろいろと探していたのですが、広告だけをたよりに自分で見て回るのは難しい。そこで「予算と希望を伝えて紹介してもらおう」ということになりました。

■「ちょうどいい広さでした」
いろいろな希望があったのですが、紹介された数軒のうち、「ここだ!」と思ったそうです。
まずは愛犬が遊べる庭があり、それも手入れも楽な丁度良い広さ。そのうえ、現在の家から来るにも1時間もかからず、スーパーやホームセンターまでは車で15分ほどと便利なのに、幹線道路から行き止まりの道を少し上るので静かなところも気に入りました。

風通しの良い、伝統的な「田の字」の部屋

■希望以上の家のうえに、近所の人がみんないい人なんですよ
そしてN様の希望以上だったのは、水回りがリフォームされたばかりで、すぐにでも住める状態だったこと。4月末には購入し、ゴールデンウィークを利用して近所への挨拶まわりをしたそうです。そこでさらに嬉しいことに、ご近所さんがみんな歓迎してくれ、今もいろいろと気をかけてくれるそうです。
奥様は「買うまでは家を気に入って、買ってからはいい人ばかりの地域を気に入った」とのことです。
強いて欠点をあげるとすれば、畑に囲まれた斜面であるために道が少し狭いこと。しかしこれも奥様に言わせれば、「うちは普通車なので大丈夫。かえって他の人に買われないで残っていたので、これも縁かな。」と思っているそうです。

■暑くても爽やか。空気が違う
取材に訪れた日は7月末の暑い日だったのですが、昔ながらのよく風の通る造りなので、エアコンを使うことがほとんどないそうです。
「街中だと、夏はエアコンなしでは過ごせなかったのがウソのよう。汗もかくけど、街中と違って風が気持ちいい」と奥様。
また、「ウグイスがすぐ近くで鳴いていた」「月明かりって明るいんだな」など、すでにたくさんの発見があったそうです。

「展望台」と呼んでいる石。見晴らし最高!

■もうここに住んでしまいたい
N様はデザイナーで、今は東京からの仕事がほとんどで、パソコンでデザインし、インターネットでデータを送ることが多いそうです。
嬉しいことに光ケーブルが近くの電柱を通っており、すぐにインターネットが使えるようになりました。
そうなると、仕事面でも環境は充分。しばらくは週末に通いながらのんびりと移住の用意をしようと思っていたご主人も、「早く庭に小さくていいから事務所を作って、仕事場もこっちに移そうかな」と思い始めたそうです。すでに計画を始められているそうで、当初の予定より早く移住してしまいそうです。

■仲の良い家族と、愛犬
訪れたとき、庭に自作ウッドデッキを作っているところでした。ご主人が作業しているのを、大学生の娘さんも楽しそうに話しながら手伝っていました。そして愛犬のリンちゃんもとても穏和で、初めて会った私にでも「遊んでよ」とすり寄ってきました。
全てに、ご夫婦の人柄と仲の良さがにじみ出ていました。
希望以上のジャストサイズの家を手に入れたN様、ますます楽しい生活が待っているに違いありません。

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第35回 紀美野町 山口様「セルフビルドでストローベイルハウス」

紀美野町は、田舎暮らしを実践されている方も多い、自然が豊かな町です。和歌山県の県庁所在地・和歌山市からも遠くなく、山の中とは思えないおしゃれなお店があったりします。

今回は、紀美野町三尾川で土地を購入された山口様を訪ねました。
現在は和歌山県内の橋本市に住んでおり、休みを利用してこの地でストローベイルハウスのセルフビルドに挑戦しています。

小高い丘の上の平地。キャンプにも最適!

「ストローベイル」とは、藁(ストロー)を家畜の飼料用に圧縮加工したブロックのことで、このブロックを積み上げ、粘土を塗って壁にする家のことだそうです。
古くからの日本建築でも藁を混ぜ込んだ粘土で壁を作っていましたが、日本建築とは異なり、壁の厚さが40~50センチもあります。
山口様は、セルフビルドで家を造ろうと思って関係書籍などを見ているうちに興味をもち、ぜひ作ってみたいと思いはじめたそうです。

できるだけ廃材などを再利用し、ローコストで建築しようということで、屋根組みも竹を利用してみようと研究・準備中だそうです。
竹は丸く、寸法も一定ではないので難しそうですが、「プロじゃないんだから、それも楽しみ。いろいろと調べて、あとは作りながら考えていこうかな。」と、それも楽しみの一つのようです。

完成予想模型。作りながら考えるのも楽しみ。

もともと東京・横浜に住んでいた山口様は、7年前に同じ和歌山県内の橋本市に移住しましたが「せっかくだからもっと田舎に行ってみよう」と思い、何カ所も探したうえに、この地を見つけました。
谷川が合流する盆地状の集落の中で少し高台になっており、美しい棚田を望めます。古くからまわりに桜を植えられており、春は美しく咲き誇ります。
昨年の夏、ちょうど前の所有者が手放したところで紹介され、一目で気に入って購入されたとのこと。

古畳の「TATAMI HOUSE」内部

まずはストローベイルハウスを造る練習として、材料がよく似た古畳で「TATAMI HOUSE」を作りました。解体した古民家の厚い畳の廃材利用で、畳を壁材に土を塗り固めた小さな家です。
取材当日は少し蒸し暑かったのですが、中に入るとひんやりと涼しかったです。
まだ電気は来ていないので、泊るときは「TATAMI HOUSE」やキャンプ。取材当日も、前日からご家族でキャンプされており、テントやタープをたてて楽しんでおられました。

山口様は舞台照明デザイナーをされており、今も仕事の時は東京方面に向かいます。
それって大変なのでは?と言う問いに、
「仕事だけを考えれば東京に住むことになるけれど、環境は圧倒的に田舎がいい。それに楽しいしね。まとまった休みも取りやすいというのもあるけど、『田舎に住んでいても、都会で仕事ができる』っていうのを証明したいしね。」
と、こともなげに答えられました。

できあがったら、友人たちと集える場所にしたいと山口様。
まだまだ柱が立ったところですが、できてくればまた訪ねてみたいと思いました。

山口様のホームページ

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第34回 印南町 N様宅「日向ぼっこのできる庭」

印南町は、海沿いでは漁業が盛んで「かつお節」の発祥地ともされています。また、海沿いの丘陵地では温暖な気候を生かし、エンドウやスイカ、トマトなどの野菜類やスターチスなどの花卉栽培が盛んな、自然に恵まれた町です。
今回お伺いしたN様のお宅は、高速道路の御坊インターチェンジからも近く、車で少し走れば買い物にも便利なところです。
小高い丘にある小さな分譲地で、数軒はN様と同じように週末暮らしをされています。数軒は居住しているので、防犯上も安心とのことでした。

よく手入れされた庭の、日当たり良好な家

■以外と近い、週末田舎暮らし
N様は大阪で自営業を営まれており、月数回の「週末田舎暮らし」を楽しまれています。
ここに来るだけで大変では?と思ったのですが、自宅からは車で1時間半ほどなので、ほとんど苦にならないそうです。この家を選んだ理由は、物件が気に入ったというのもありますが、交通が便利なのも大きかったそうです。

■田舎暮らしを考えたのは、購入直前
N様ご夫妻は現在の田舎暮らしをすごく気に入っているようですが、以前はあまり「田舎暮らし」を考えたことはなかったそうです。
奥様は「日向ぼっこができる縁側や庭がある家が欲しい」と思っていたのですが、大阪で探してみたものの値段も高くなかなか難しい。そんなとき、友人に田舎暮らしの雑誌を見せられて心惹かれるものがありました。すぐに電話をして、物件を紹介してもらうことになりました。
そこで紹介されたのがこの物件。特に奥様は一目で気に入り、他の物件を見た後も「すぐにでも手付け金を払う!」というほど惚れ込みました。
ゴルフが好きなご主人様も、すぐ近くにゴルフ場があったので気に入り、その後まもなく契約となったそうです。
奥様の夢「日向ぼっこのできる縁側と庭」

■大事に使われていた庭を復活
今回訪問してまず驚いたのは、お庭がすごく綺麗にされていたことでした。
よく手入れされた庭木や石灯籠などがあり、購入して1年と少しとは思えないほど。しかしお話しをお聞きすれば、前のオーナーが残されていたものとのことでした。
前オーナーのご主人様が相当大事にされていたようですが、残念ながら亡くなられたとのこと。庭の倉庫には、手入れの道具もかなり残されていたそうです。
ただ、数年は住んでいなかったので、庭木の枝は伸び、雑草は生え放題でした。
もともと庭いじりをしたいという希望もあったN様ご夫妻は、「こんなに大事にしていた庭なのに、このままではかわいそう」と、ひたすら庭の手入れに精を出したそうです。一部は業者に依頼したものの、自分たちで剪定や草ひきを行い、黒ずんでいた石灯籠や庭石を磨くなど、月数回しか来られないほとんどの時間を庭の手入れに費やしました。
その結果、荒れていた庭は驚くほどの美しさを取り戻しました。
キッチンの窓からの眺め。初夏には蛍も。

■この家に決めたのは、なにかの縁
奥様は、「そういえば、ここに初めて泊まった晩、キッチンの窓の外にホタルが飛んでいてビックリしました。最近は、前のご主人様が庭を手入れしてくれそうな私たちを、この家に呼んでくれた、そしてホタルの光で歓迎してくれたのだと、勝手に思っています。それほどこの庭が大好きで、大事にしていきます。」とおっしゃっていました。
もちろん庭だけでなく家も大事にしてられて、大阪に帰るときは、家や庭に「またくるからね」と声をかけてから帰るそうです。
きっと前オーナーのご主人様にも喜んで頂いていることと思います。

■最後に
奥様に、「大阪にいるときは、お父さんのこんなうれしそうな顔、見たことがないんですよ。」と言いながら写真を見せていただきました。そう話す奥様自身も、とてもうれしそうでした。
ご夫婦ともに本当に幸せで楽しそうで、こちらまで幸せな気分になりました。お時間をいただきありがとうございました。

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第33回 かつらぎ町 斉藤様宅「通勤できる田舎暮らし」

かつらぎ町は和歌山県の北東部に位置し、果樹や串柿など四季折々の豊富なフルーツの町です。また町の中心部を紀の川が東西に流れ、世界遺産に登録された丹生都比売神社など、水と緑に囲まれた美しい町です。
自然いっぱいのかつらぎ町ですが、大阪府に接しておりJR和歌山線が紀の川と平行して走っているなど、交通も便利です。
今回お伺いした斉藤様のお宅は、紀ノ川沿いの幹線道路となる国道24号線沿いで、すぐ裏にはJR和歌山線が通っているなど便利な場所にあります。
母屋と広い庭に、新しく建てた木造りの作業場

■便利なところだからできる「通勤田舎暮らし」
実は斉藤様は、現在も大阪で眼鏡店を営業されており、「田舎暮らし」なのですが通勤をされています。
大阪に住んでいたときも一戸建てだったのですが、どうしても手狭で庭もなく、「いつかは家庭菜園もできる家に住みたい」と思っていたそうです。
また、趣味の木工をできる作業場を作るスペースも欲しかったそうです。
若い頃にはサーフィンをされていて、和歌山にはなじみがありました。5年ほど前には、和歌山県の海沿いの印南町に別荘を買ったそうですが、別荘では休みの日にしか行けませんでした。そこで「通常の生活もできる田舎暮らしをしたいと思い、現在の家に決め、奥様とご両親と一緒に住むようになったそうです。
母屋はご両親も暮らしやすい和風の平屋。
近所の子供が遊びに来るので、鉛筆型の門柱を自作。

■家族みんなで、無理をしない田舎暮らし
現在の家を決められたポイントは、
1. 緑も豊かながら、通勤もできる交通が便利な場所
2. 庭が広く、木工の作業場もできる
3. ご両親と一緒に住むため、福祉サービスも利用でき、
病院なども近いこと
などでした。
現在の家は幹線道路近くですが、周りを果樹園に囲まれ緑も豊か。それでいて日常の買い物にも便利。また役場や消防署・病院(県立医大紀北分院)なども近く、何かあったときも安心です。
ご両親は地方出身で、大阪では高齢になってからあまり外に出なくなっていました。ところがこの家に越してからは、庭に出て日向ぼっこをしたり畑を見たり、大阪で住んでいた頃よりも生き生きとしているように見える、と斉藤様。
もちろん斉藤様と奥様も、毎日が充実されているそうです。
田舎暮らしというと生活には不便というイメージがありますが、通勤には少し時間がかかるだけの「無理をしない田舎暮らし」を実践されています。

■地域に溶け込んで
便利な場所とはいえ、農村地帯なので町内の活動も活発。斉藤様も最初はとまどったそうです。しかし、近所の方も果物や野菜を届けてくれたり、近くの子供が遊びに来たりして、すぐに溶け込めたそうです。
まだしばらくはお店も続けますが、ゆくゆくは完全に定住して、木工や近隣で田舎暮らしをしている知人との交流など、「時間がいくらあってもいい」毎日を過ごされたいとのこと。
斉藤様の人柄と若さなら、きっと充実した田舎暮らしを続けていかれることと思います。
作業場兼、斉藤様の「城」。
時には町内の会合も。

>>斉藤様の木工ホームページ(K’s WOOD WORKS)

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第32回 有田川町 永田様宅「時間がゆっくり流れる古民家」

有田川町は和歌山県のほぼ中央に位置し、その名のとおり有田川に沿って東西に細長い形状をしています。南北を山に挟まれ、東側は紀伊山地で奈良県にも接しています。西は有田川の河口に位置する有田市に接し、境界付近には高速道路の有田ICがあるので、町の入口までのアクセスは良くなっています。
今回お伺いした永田様のお宅も、有田ICから車で20分程度と便利なところながら、山間からみかん山を上った、眺めも良く気持ちのいい場所に立つ古民家でした。
永田様は大阪生まれで、Iターンで和歌山県にやってきました。ご主人は大阪で勤めていたのですが、林業関係の仕事があり、7年前にご夫婦で日高川町に引っ越してきました。
このコーナーで紹介する方は、退職されてから第二の人生を楽しまれている方が多いのですが、永田様ご夫婦は「この集落でいちばん若いかな」という若さです。
もともとアウトドアが好きで、和歌山県には良く来ていたそうです。奥様も田舎暮らしには賛成で、ご夫婦揃って理想の田舎暮らしを始めました。
奥様は天然酵母のパン教室など、古民家でワークショップを開催されています。現在、パン工房にむけて準備中です。
今回お伺いした古民家には昨年の8月頃引っ越してきたそうなのですが、それまでIターンしてからの約7年間、理想の古民家を探していたそうです。

木が好きな永田様は、木でしっかり作られた古民家を探していたのですが、最近は農村部といえども古民家は残っていません。それでも妥協せずに探していたところ、紹介されたのが今回の家。「スエタカさんに連れてきてもらって、ひと目みて決めました。」とのことで、理想にぴったりの古民家でした。
古いだけでなく、直前まで住んでいたので母屋は手入れもされており、数年前にリフォームしたことから、浄化槽があり水回りも不便はありません。
築100年ほどになる母屋は、典型的な古民家の「田の字」の間取りと土間、そのうえ庭を挟んで立派な長屋門があります。ほかにもかなり傷んではいますが、3部屋続きの離れに、蔵もあります。
チェンソーアートもされるご主人は、休みを利用して少しずつリフォームしていくのを楽しみにされています。
現在は比較的新しい長屋門を改装中で、パン工房の調理場やお客様のランチスペースにする予定だそうです。

取材に訪れたとき、懐かしい作りの古民家に入り、奥様の天然酵母パンをいただき、この生活のすばらしさを熱くやさしく語るお二人と話していると、気がつけば予定の時間を大幅にオーバーしてしまいました。環境、家、そして永田様ご夫婦。あまりの心地よさに、時間の感覚がマヒしていたようです。貴重な時間をいただきありがとうございました。

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第31回 白浜町 佐藤様宅「広い畑で農作業」

白浜町は、言わずと知れた一大温泉郷「白浜温泉」がある温暖な町です。しかし、今回訪れた佐藤様のお宅は、同じ町内にもかかわらず、まるで離島の小漁村のような雰囲気がある静かな一角でした。
幹線道路から少し入っただけですが、家のすぐ裏が堤防を挟んで小さな砂浜で、数軒の家があるだけの静かで美しい入江に面した集落。家のすぐ裏の海岸。家から徒歩10秒!今回ご紹介する佐藤様は、退職する前から田舎暮らしを夢見ていたそうで、雑誌などを見て物件を探していたそうです。

条件は、
 ・畑がたくさんできるところ
 ・暖かいところ
 ・静かでも生活に便利なところ

でしたが、「土地が広い」「暖かい」「生活に便利」となると、なかなか条件に合うところが見つかりません。土地が広いと山奥だったり、暖かくて便利なところでは畑も小さい。
そんなとき、雑誌で見たスエタカの物件が今の家です。
現役時代にはよく和歌山に仕事で来ていたことや、姉夫婦が和歌山在住でもあり、和歌山県にはなじみがありました。
佐藤様はさっそく見に来て、一目で気に入って即決し、昨年の4月に引っ越してきました。

■広い畑で農作業
まず第一の希望であった「畑をたくさんできるところ」ですが、なにしろ土地が広い! 1000坪以上あり、いろいろな野菜を思う存分作れます。それに、トラクターも入る倉庫もあり、農器具置き場に不自由はしません。畑も広いので、さっそく中古のトラクターを購入して愛用しています。「まだまだ1年目なので、思うような出来ではない」と謙遜されていますが、訪れたときは立派な大根を収穫中でした。
職場の人たちに、いろいろな作物をもっていく約束をしているので、よろこんでもらえるものを作りたいとのことです。

■暖かく、海が目の前
次の条件「暖かいところ」ですが、もちろん温暖な白浜町なので条件には合致。また、はじめは「海に近いといいなあ」程度だったそうですが、実際に来てみれば家の裏がすぐに海!小さな砂浜もあります。
「海に近い」どころか、海岸に隣接していますので小さな砂浜が庭のよう。波が心配に思われますが、田辺湾のそのまた入江で防波堤もあり、波も静か。
もともとが半農半漁の家だったようで、海に直結した屋根付きの舟置き場もあります。
まずは船外機付きのゴムボートで海へ出てみたそうです。舟置き場。スロープで海に直結。家が海に面しているので、いつでも好きな釣りができるとのこと。フラッと釣りに行って、自分が食べる分だけ釣れれば帰ってくるという、夢のようなお話しもされていました。

■交通・生活に便利
佐藤様は長年、名古屋で会社員として勤め上げ、今は非常勤の役員をされていらっしゃいます。奥様は仕事もあり名古屋在住なので、月に数日は名古屋に行かれているそうです。また、息子さんや娘さんは京都・東京におられ、あまりにも遠いところだと不便。
こちらのお宅は静かな環境にありながら、白浜町でも田辺の市街地寄りにあり、高速道路のインターチェンジ(南紀田辺IC)や、南紀白浜空港に車で10~15分程度と近く、交通の便が非常に良いところです。
そのため買い物や病院など、生活に不便はありません。コンビニエンスストアも車で2~3分。歩いてでも行ける「とれとれ市場」には温泉施設もあり、気が向けばすぐに温泉にも入れます。
そんな便利なところにもかかわらず、小さな入江に面した4~5軒だけの集落なので、みんな気さくに声をかけてくれるそうです。
1年前まで都会でバリバリ働き、現在も役員をされている佐藤様ですが、取材に訪れたときは離島の小さな農漁村のような雰囲気にすっかり溶け込んでおられました。

去年は引っ越してきたばかりでトマトやトウモロコシなど難しい作物は失敗したそうですが、今年は成功させたい、他にもいろんな野菜作りにチャレンジするのも楽しみにしています。
舟置き場もあるので、小さな舟を買って釣りに行きたいなど、理想の物件を得た佐藤様、田舎暮らしに夢もふくらみます。

和歌山で暮らそう。
田舎暮らし物件のご相談はスエタカ

第30回 紀美野町 浅井様のお店「自分が行ってみたいカフェ」

紀美野町は、和歌山県の県庁所在地・和歌山市から近いにもかかわらず、自然が豊かな町です。

今回は、紀美野町の浅井様のお店「ル・クード・ヴァン」に取材に訪れました。
浅井様のお店も和歌山市内から1時間以内で行くことができるにもかかわらず、お店の周りは自然がいっぱいで、お店のすぐ下を流れる川は透き通った清流。浅井様も和歌山市内に住み、お店に通っているほど便利な場所です。浅井様のお店「ル・クード・ヴァン」浅井様はもともと横浜や大阪でレストランやアンティークショップなどを数店舗経営し、20年ほど前からケーキの製造卸も行っていました。
もともとは経営者だったのですが、ケーキづくりに携わるうち、ぼんやりと「素材にこだわった、自分が食べたいケーキを提供する、自分の行きたいお店をつくってみたい」と思うようになりました。
縁あって4年前に和歌山市に移住したころから、その想いが大きくなってきました。自分の想いにあうお店をつくるため物件探しに着手し、海沿いや山あい、いろいろな物件を見て回ったそうです。
そんな中、スエタカに紹介された今の物件が探し求めていた条件に合い、決定したのは6ヶ月前。さっそくリフォームにとりかかり、お店をオープンしたのは取材日の2週間前でした。お店の下を流れる清流ここに決めてからリフォームの間に通う間も、季節の移り変わりで緑の色も変わり、いろいろな花も咲き、天気によってもいろいろな顔を見せる自然にさらに魅せられました。夏にはすぐ下の川がプライベートビーチならぬ「プライベートリバー」にもなり、都会で暮らしてきた浅井様は大満足。
思い描いていた「素材にこだわった、自分が食べたいケーキ」も、「自分の行きたいお店をつくってみたい」も実現できました。お店は、静かな山里を走るとすぐわかる、青い外壁。一歩中に入るとアンティークの雰囲気。そしておいしそうなケーキ、川を見下ろすウッドデッキの気持ちよさと、何度も驚かされます。ウッドデッキは緑の山々に囲まれ、眼下に谷川を眺める抜群のロケーション。店名の「ル・クード・ヴァン」はフランス語で「風」を意味します。ウッドデッキに腰を下ろすと、店名の意味がよくわかります。今はちょうどサルスベリの花が咲いていましたが、春には桜も眺められるそうです。
これから冬に向けて薪ストーブも準備中で、すでにたくさんの薪を用意されています。ケーキは「この素材と手間なら、都会ならこの値段で商売にならないけどね。」といいながら、自分で食べたいものをつくり、お客様に喜んでいただくとの想いで提供しています。
開店したばかりですが、「近くの方がよく来てくれますよ」とのこと。取材中も数組のお客様が来られ、「お昼ご飯の後でお茶だけのつもりだったけど、おいしそう!」と言ってケーキを注文され、ウッドデッキでゆったりと過ごされていました。
これから気候も良くなってくるので、大阪の知人にもドライブがてら来てもらい、ぜひこのロケーションを楽しんでほしいとのこと。
別棟のアンティークショップ小さな別棟にはアンティークの家具や小物を集めたショップも作られています。今も月に1~2度は大阪に行っているとのこと。アンティークに興味のある方も訪ねてみてはいかがでしょうか。


お店紹介
ル・クード・ヴァン
住所  :海草郡紀美野町蓑津呂
定休日 :毎週水・木曜日、毎月第1日曜日、毎月21日
営業時間:11時~17時

和歌山で暮らそう。
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