第41回 湯浅町 青木様「癒しの場所をつくりたい」

湯浅町は、醤油発祥の地として知られ、有田みかんの産地でもあります。
今回お伺いした青木様は、湯浅町の栖原海岸でシーカヤックツアーやカヌー店を経営されています。
ご購入いただいたのは、お店に近いみかん畑の跡地。青木様は、ここでキャンプやバーベキューをしたり、何もしなくてもみかん畑や海を眺めてのんびりする「癒しの場所」にしようと思っておられます。

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できたばかりのロッジの屋上で。天気が良ければ、もっと海が美しく見えます。

 この畑はみかん栽培をやめて20年近くたち、きれいに石垣を積んだ段々畑はみかんの木の多くが枯れ、雑草が生え、雑木が鬱蒼と茂っていました。
この畑跡地はお店から近く、少し民家から離れ、また海も見えることから昨年購入していただきました。
シーカヤックのオフシーズンを利用して少しずつ整備を始めたところですが、あまりにも長い間放置されていたので、なかなか進みません。それでも一部は整地し、まずは屋上を展望台にした小さなロッジを作りました。

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シーカヤックシーズンに入って忙しくなったので、いまは整備作業を中断していますが、中古のユンボも購入したので少しずつ整備していくとのことです。

日本でのカヌー普及に尽力

さて青木様ですが、実は日本最大級のカヌー専業メーカー「アオキカヌーワークス」を経営されています。創業は大阪万博が開かれた1970年。まだ日本ではカヌーは珍しく、輸入や製造とともにカヌースクールを始め、普及啓蒙活動にも熱心に取り組んできました。
本社は大阪府枚方市ですが、2005年に湯浅町栖原海岸に「すはらシーカヤック研修センター(現「すはらシーサイドハウス」)」を開設し、シーカヤックツアーを開始しました。

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シーカヤックツアー

すはらシーサイドハウスでは熟練したガイドが案内するシーカヤックツアーを行っているので、美しい海岸線で手軽にシーカヤックを体験できます。ガイド付きツアーなので初心者でも安心。
ツアーの写真を、すはらシーサイドハウス様よりお借りしました。

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皆さんもシーカヤックツアーを体験してみませんか?
無人島に上陸するコースなど、経験や体力に合わせていろいろなコースが用意されていますので、ぜひホームページをご覧下さい。
>すはらシーサイドハウスのホームページ

 美しい海岸線

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小浜海水浴場

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田海水浴場

このあたりの海岸は岩場や小さな砂浜など変化に富み、波も比較的静かでシーカヤックを楽しむには最適です。そのうえ高速道路の有田ICから近く、非常に便利な場所です。

日本最大級のカヌー専門店

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また、2010年に隣接地にカヌー専門店「バイエルン和歌山店」を開店しました。
このお店は物流センターを兼ねており、80艇ほどが在庫・展示されている日本最大規模を誇ります。都市部でもこれほどの在庫は見ることはできないので、カヌーをされる方は是非見ていただきたいです。
>カヌー専門店 バイエルン和歌山店のホームページ

IMG_3377シーカヤック・リバーカヤックがいっぱい。
IMG_3369パドルやライフジャケットなどの在庫も豊富。

和歌山の発展を願って

すっかりこの地を気に入った青木様は、ほとんどこちらで暮らしておられます。
シーカヤックツアーを案内するほかにも、自称「湯浅の観光ボランティアガイド」として、湯浅や周辺の観光やおみやげなどをお客様に案内されており、シーサイドハウスには周辺の観光パンフレットを揃えています。
青木様は、「シーカヤックだけでなく、来られたお客様はもっと和歌山を楽しんでほしい。和歌山にたくさんお客様が来られて発展するように」との思いも持たれています。
お忙しい青木様、海を見てのんびりできる「癒しの場所」が早く完成するように、また健康とご発展を願っております。
IMG_3383湯浅の古い街並み。「伝統的建造物群保存地区」に指定されています。

 

第40回 広川町 川﨑様「自分の田んぼで稲づくり」

今回お伺いした川﨑様は、美しい山間で稲作を行っており、今年で3回目の収穫を終えたところでした。

IMG_0578 美しい谷川を挟んだ段々の水田。家の下手側にもあり、かなりの広さの水田があります。

広川町は「稲むらの火」で有名なこともあり海沿いのまちという印象ですが、町の名前にもなっている広川沿いに山間に入ると、緑に囲まれた農村地帯。
最近はホタル鑑賞でも有名で、町内には「ほたるの湯」という温泉施設もあります。
川﨑様宅も山に囲まれた谷あいですが、実は高速道路の広川南ICから10分もかからない便利な場所です。

取材当日は、新聞社の会員組織と和歌山県過疎対策課・広川町のコラボでの農作業体験があり、20名ほどの方が訪れていました。

IMG_0493農業用トラクターの運転体験や草刈機体験。後ろに見えるのが川﨑様のお宅。鉄筋コンクリートの倉庫の上に平屋が乗った構造。

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【トラクターの運転体験】
乗用車とはちょっと違う運転を体験。
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【脱穀体験】
天日干しした稲を小型の自走式脱穀機で籾にします。

IMG_0564s川﨑様は和歌山市内で自営業をされていますが、ここ広川町までは車で40分ほどの距離なので、休みの日を中心に農作業をされています。仕事の日もここから出勤できるので、少しでも休みがあれば来ることができます。

数年前に友人に誘われ稲作の手伝いをしていて、自分の田を持ちたいと思っていた川﨑様。
この物件が売りに出ていることを知り、しっかりした家と広い水田、そして間を流れる綺麗な谷川に惹かれて購入しました。

さっそく稲作を始めたのですが、1年目は慣れていなかったことと、鹿や猪、タヌキや猿の野生動物に荒らされてあまり収穫できませんでした。

2年目は作業に慣れたことと、電柵で囲んで野生動物の侵入を減らしたので、少し収穫できるようになりました。

今年は3年目。さらにネットで囲むなどの対策を施し、かなり収穫できるようになりました。

訪れてビックリしたのが畦にほとんんど雑草が茂っていないことで、これほど綺麗にしている田畑は珍しいと思います。実際、かなりこまめに草刈りをされているそうで、綺麗にしていると虫も減るし作業も効率的とのことです。

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段々の水田は見た目は美しいのですが、手入れが大変だそうです。油断をすると猪に石垣や畦を崩されるので補修しなくてはいけませんし、農機具を上げるのも大変。大きな田なら一気に田植えや収穫ができますが、何回にも分けて作業しなくてはいけません。
見た目だけで憧れても、「軽い気持ちではできないよ~」と川﨑様。取材日もあまりにも綺麗だったので「イベントがあるので町職員などが来て手伝ってくれたのですか?」と聞いたほどです。(もちろん川﨑様が一人で刈っているそうです)

地域の皆さんからも、広い水田を一人ですべて作業しているのは驚かれるそうです。美しい上に今年はよく収穫できているのを見た方から、「うちの田んぼも作ってくれませんか?」と頼まれるほど、地域の皆さんからも認められるようになりました。

また今回の農作業体験など、自治体等からの頼まれごとも増えてきました。
最初は「自分で米を作ってみたい」から始めた田舎暮らしですが、これからは田舎暮らしの楽しさや農作業の難しさを伝え、少しでも田舎暮らしを考える人たちの参考になれば、と川﨑様。
大変なことも多いと思いますが、これから何年も美しい棚田を見せていただきたいと思います。

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愛犬の「ゆず」ちゃんも見守ります。
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「いなむら米」という名前で販売も始めました。

周辺のみどころ「滝原温泉 ほたるの湯」

IMG_0589s車で5分程の温泉・宿泊施設「滝原温泉 ほたるの湯」。
周辺はホタルの名所で、5月下旬から6月中旬には温泉施設周辺のほか、車で10分程度の広川ダム上流でも多く見られます。
>滝原温泉 ほたるの湯ホームページ

>広川町役場ホームページ

 

第39回 海南市 T様「文化財?の管理人」

海南市は、県庁所在地・和歌山市の隣で、古くは漆器やシュロを使ったほうきやたわしなどの家庭用品の生産が盛んな地でした。現在も漆器づくりをしていた街並みや、家庭用品の会社などがあります。

文化財のような家

今回お伺いしたT様は、近くにある老舗酒造会社の別邸を借りて住まわれています。
建築は昭和初期で築80年ほど経っており古さは否めませんが、さまざまな意匠を凝らした細工が施されており、文化財に匹敵するような凝ったつくりになっています。

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応接間。凝ったステンドグラス・窓・天井。
壁は地域特産のシュロを練りこんだ珍しいもの。

25年ほど前からは使われていなかったようで、部屋には埃がつもり、山の斜面を生かした庭も草木が生え放題になっていました。
しかし日本建築に興味のあったT様は、一目でこの家に惚れ込んでしまいました。

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美しい内縁に囲まれた和室。

家主に「ラブレター」

これほどの建築なので、家主も他人に貸すつもりはなかったのですが「先々代の資産なので、何か有効に使う方法はないか?」と当社に相談いただいていました。
そこでご紹介したのが、陶芸家でもあり日本建築にも造詣が深いT様。それまで別の借家に住んでいましたが、「T様ならこの家を生かせるのではないか?」と家主の案内で見ていただきました。
この家に惚れ込んだT様は、いかにしてこの家に大切に住むか、庭を整備するかをしたためた「ラブレター(T様談)」を、当社を通じて家主様に送るなど大変気に入っていただき、家主様も熱意にほだされて賃貸することになりました。

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漆塗りの障子枠、明かり取り、折上げ格天井など、凝った造り。

庭と楽しい格闘

家の中は入居前に掃除と簡単な補修をしたのですが、庭木は大きくなりすぎて日があたらず、草は生え放題。T様の格闘が始まりました。
庭といっても、近所のご老人に聞くと「離れに使用人が2家族住み込んでいた」「ちょっとした公園のような庭園だった」というほどの広さ。まずはチェンソーを手に入れて使い方を覚えるところから始まりました。家主の了承を得て剪定・伐採し、何とか日が当たるようになりました。
一見すると生え放題ですが、草木の種類を見ていくと趣向を凝らした庭だったことがわかりました。植物が好きなT様は、大変な作業も一つの楽しみにされています。
入居してから2年経った今も手入れは続いていますが、まったく元通りは無理としても、当時の庭の良さを残しながら整備していきたいとのことです。

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野菜は自給自足

敷地の一角の斜面に、段々畑がありました。前の家でも野菜を作っていたT様は、さっそく野菜をつくりはじめました。段々で日当たりも良く、また水道も引かれていたのでたくさん収穫できるようになりました。
自然農法にこだわり、現在は30種類ほど作られているようです。
おかげで野菜はほぼ自給自足、たくさんできたときは直売所で販売できるほどだそうです。家を探すときも「家庭菜園ができるところ」との希望があったのですが、それも満足されています。

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庭続きの畑。珍しい「大浦太ごぼう」の花。種をとって、自然農法に取り組んでいる人と
交換するそうです。藍を育てて藍染にも挑戦予定。

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ちょうど花が咲いていたキュウリ、トウモロコシ、ズッキーニ。形がきれいでなくても、
少しくらい虫に食われていても、
安心で獲りたての野菜は何物にも代えがたい。

憧れ以上の建築に感動

さて家のほうは、職人の技術の粋を生かしたような造りで、傷めるわけにはいけません。応接間のステンドグラスはもちろん、窓ガラスも凝ったもの。床框だけでなく障子の枠まで美しい漆塗り。畳縁も麻の本藍染。家の内外にあるさまざまな意匠。見れば見るほど、「どれだけ手がかかっているのだろう」とT様は感動しました。

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床框は美しい漆塗り、床壁には金箔を使って松の木のような紋様を付けています。

T様は「普通ならこれだけの家に住むことはできないでしょう。気分は文化財の住み込み管理人ですね。」とおっしゃっていました。

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質素な感じながら、よく見ると屋根や格子、雨どいにさえ意匠が凝らされています。
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広い玄関内には、ご主人の自転車も入ります。窓も凝ったもの。

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決して華美ではなく品のある赤い漆塗り。
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庭にある防空壕。戦中、近所の人も空襲警報の度に避難したそうです。

「憧れていた以上の家に住めたのは何かの縁。家主に出て行けと言われるまで(笑)、大事に住みたいと思っています。」とT様。
まさに借主と家主の気持ちが合わないと実現しなかった、仲介冥利に尽きる組み合わせの物件でした。

第38回 すさみ町 井上様「太陽光発電所」

今回のレポートは「田舎暮らし」ではなく、なんと「太陽光発電所」をすさみ町に作られた井上様を訪ねました。すさみ町は白浜町の南隣、「ケンケンかつお」やイセエビなど海の幸や、「イノブタ」で有名な町です。カツオやイセエビをPRしているため海沿いの町と思われますが、山間にも集落が点在しています。しかし山間部には平野部が少なく、人口も減りつつあります。

井上様は、そんな山間部にぽっかり空いた小さな集落に適地を見つけ、個人レベルでは非常に珍しい太陽光発電所を作られました。

■太陽光発電所を個人レベルで

「太陽光発電所」というと大企業が作るメガソーラーを連想しますが、小規模ながら個人事業所レベルで作ってしまいました。

井上様は大阪で電気工事会社を経営されており、太陽光発電の施工も行っています。

そのため、クリーンエネルギーである太陽光発電が環境にも優しく、次世代のエネルギーであることは熟知していました。

発電所全景

■縁があった土地

数年前、別件で近くに来た時に道を間違えてこの地を通りかかったとき、「山あいなのに日当たりのいいところだなあ。ここなら太陽光発電に向いているのでは?」と思いました。

そんな中、産業用太陽光発電の買い取り制度が決まり、井上様は太陽光発電所を作ろうと場所を探し始めました。
太陽光発電所を作るには、いくつかの条件があります。

・日当たりが良いこと(当たり前ですが)。
・海から離れ、塩害などの心配がないこと。
・ある程度の広さが必要なので、値段も高くないこと。
・農地では転用の手続きが必要なので、田畑でないこと。
・太陽光パネルを設置するので、地面が固いこと。

広くて田畑でなくて安価な土地はなかなかありません。

当社のホームページを見て頂いた井上様、以前に見た現在の土地じゃないか?という物件を見つけました。さっそく電話して確認したところ、どうも前に「いいな」と思った所。

海から離れており、山間には珍しく日当たりも良く、以前は養鶏場だったため広い土地に平坦ではありませんがコンクリートを打っています。

思い描いていた条件にぴったりで、以前にたまたま見たことも何かの縁と購入することになりました。
発電所の前で。

■難関を乗り越え発電所完成

さて、土地は見つかったのですが、ここからが大変。工事自体は普段の仕事でもあるので、できる目処はあります。

しかし、いろいろな届け出が難しい。大企業の作るメガソーラーと違い、前例はありません。和歌山県内でも初めての試みだったため、非常に苦労したそうです。

苦労を乗り越えて完成した太陽光発電所は、552枚のパネルを並べた82.8kWhの発電所。個人事業所レベルでは非常に珍しく、見学に来る人も後をたたないそうです。
太陽光発電パネルの裏側

■地域を少しでも元気にしたい

そして井上様には夢もあります。

この地に決めたのも何かの縁、と、大阪に住んでいる井上様は来るたびに近所の方に挨拶に立ち寄るそうです。
しかしこの地は過疎化が進み、高齢化が進んでいます。隣にある立派な石垣を積んだ家も廃屋になっています。

自分自身も将来は会社を息子さんに任せてこちらでも住めるようにしたいそうですが、この地に縁があったこともあり、「出て行った人が戻ってこられるところにしたい、せめて年に1回でも」と、発電所のまわりに桜を植え、春にはお花見ができるようにしようと計画しています。

また、空いた土地で何か生活の糧になるものができないかと研究中だそうです。

立派な石垣がありますが、すでに廃屋。

今は南紀田辺ICから山間の道を1時間以上かかりますが、2015年頃には高速道路がすさみまで延伸され、すさみICからは20分程度で来ることができるようになります。

「便利になるので、Uターンする人や、Iターンする人が住めるところにしたい」という夢を、太陽光発電所を縁に考えています。

和歌山で暮らそう。

田舎暮らし物件のご相談はスエタカ

第37回 海南市 I様「平日田舎事務所」

前回に続いて海南市ですが、今回は海寄りの山上にある別荘地にあるI様宅をご紹介します。

県庁所在地・和歌山市の隣の海南市ですが、ミカン山を登った山頂にあるので静か。和歌山市内を見下ろす高台で、紀伊水道を越えて淡路島や四国まで見渡せる最高の眺望です。

■「平日田舎事務所」
いつもご紹介しているお宅は、移住されている方が中心、そして週末田舎暮らしの方が多いのですが、今回訪れたI様は少し違います。この家を「平日田舎事務所」として使うという、新しい形の田舎暮らしでした。

I様は和歌山市内在住の機械関係のエンジニア。現在は独立してお仕事をされています。以前は市内に事務所を借りていましたが、娘さんも大学生になって家を出たこともあり、「事務所の家賃を払うなら、いっそのこと静かなところの家を買って事務所にしたらどうだろう?」と、今年になって探し始めました。

そこで紹介されたのがこの家。別荘として最近まで使われており、すぐにでも使える状態の物件でした。

ログハウスのリビングに薪ストーブ
■眺望・ログハウス・薪ストーブ・・・一目で即決
自宅から近いのに初めて来た見晴らしのいい別荘地。紹介された物件は、ログハウスのリビングに薪ストーブ、広いウッドデッキなど、申し分ありません。別荘地に入ってくる道が少し狭いですが、オフロードバイクでのツーリングも好きなI様には抵抗もありません。インターネットが引けることを確認して即決しました。

購入してからログハウスの外壁やウッドデッキを自分で塗装したくらいで、ソファーやベッド・洗濯機なども残っており、すぐにでも住むこともできる状態でした。

自家用車で少しの荷物を持ってきただけですぐに事務所として使い始めることができ、静かな環境は仕事にもぴったり。眺望もいい静かな環境で鳥の声を聞きながら仕事をするのは、まさに「リゾートオフィス」です。

和歌山市内は足下に、淡路島や四国も一望。特に夕日は最高。
■趣味にも最適・最高の眺望
山上にあるので、趣味のアマチュア無線では岡山まで電波が飛び、大学時代の友人と話ができるそうです。またウッドデッキに天体望遠鏡を出して星空を眺めるのもお気に入り。

なんと言っても淡路島に沈む夕日と黄金に輝く紀伊水道が最高に美しく、「ここにしてよかった!」と実感。

平日はこちらに泊まることが多いそうですが、自宅までバイクで30分ほどなので、奥様も安心。

毎週末には周辺の別荘も賑わいます
30軒ほどの別荘地ですがいつも居る方は少なく、平日は静かで仕事に集中できます。毎週末には近くの人も来て賑やかになるので、それほど寂しくはありません。

自治会もあるそうで、先日もみんなで草刈りをするなど周辺も比較的綺麗に保たれています。

仕事場としてはもちろん、趣味のアマチュア無線や天体観測などにも最適。和歌山市内からも近いので、家族や友人も来てバーベキューをするなど別荘としても大活躍の家。

「こんな物件に出会えて良かった」という、お気に入りの「平日田舎事務所」でした。

和歌山で暮らそう。
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第36回 海南市 N様「ジャストサイズの家」

海南市は、県庁所在地の和歌山市の隣で、海にも面した市です。もちろん市街地や周辺には大型スーパーやホームセンターもあり、和歌山市まで行けばさらに大きなお店もあります。

今回訪れたN様のお宅は、海南市でも山間にあり、柿畑が広がる斜面を上がった、見晴らしのいいところでした。

もともと大阪方面にいらしたのですが、数年前に和歌山市内に引っ越してきました。

もともとキャンプなどアウトドアが好きで、引っ越してからは特に和歌山にの良さを感じていたN様。お子様が大学生になり、犬を飼い始めたこともあって、街中ではなく田舎にいってみたいと思うようになりました。

雑誌をみたりしていろいろと探していたのですが、広告だけをたよりに自分で見て回るのは難しい。そこで「予算と希望を伝えて紹介してもらおう」ということになりました。

■「ちょうどいい広さでした」
いろいろな希望があったのですが、紹介された数軒のうち、「ここだ!」と思ったそうです。
まずは愛犬が遊べる庭があり、それも手入れも楽な丁度良い広さ。そのうえ、現在の家から来るにも1時間もかからず、スーパーやホームセンターまでは車で15分ほどと便利なのに、幹線道路から行き止まりの道を少し上るので静かなところも気に入りました。

風通しの良い、伝統的な「田の字」の部屋

■希望以上の家のうえに、近所の人がみんないい人なんですよ
そしてN様の希望以上だったのは、水回りがリフォームされたばかりで、すぐにでも住める状態だったこと。4月末には購入し、ゴールデンウィークを利用して近所への挨拶まわりをしたそうです。そこでさらに嬉しいことに、ご近所さんがみんな歓迎してくれ、今もいろいろと気をかけてくれるそうです。
奥様は「買うまでは家を気に入って、買ってからはいい人ばかりの地域を気に入った」とのことです。
強いて欠点をあげるとすれば、畑に囲まれた斜面であるために道が少し狭いこと。しかしこれも奥様に言わせれば、「うちは普通車なので大丈夫。かえって他の人に買われないで残っていたので、これも縁かな。」と思っているそうです。

■暑くても爽やか。空気が違う
取材に訪れた日は7月末の暑い日だったのですが、昔ながらのよく風の通る造りなので、エアコンを使うことがほとんどないそうです。
「街中だと、夏はエアコンなしでは過ごせなかったのがウソのよう。汗もかくけど、街中と違って風が気持ちいい」と奥様。
また、「ウグイスがすぐ近くで鳴いていた」「月明かりって明るいんだな」など、すでにたくさんの発見があったそうです。

「展望台」と呼んでいる石。見晴らし最高!

■もうここに住んでしまいたい
N様はデザイナーで、今は東京からの仕事がほとんどで、パソコンでデザインし、インターネットでデータを送ることが多いそうです。
嬉しいことに光ケーブルが近くの電柱を通っており、すぐにインターネットが使えるようになりました。
そうなると、仕事面でも環境は充分。しばらくは週末に通いながらのんびりと移住の用意をしようと思っていたご主人も、「早く庭に小さくていいから事務所を作って、仕事場もこっちに移そうかな」と思い始めたそうです。すでに計画を始められているそうで、当初の予定より早く移住してしまいそうです。

■仲の良い家族と、愛犬
訪れたとき、庭に自作ウッドデッキを作っているところでした。ご主人が作業しているのを、大学生の娘さんも楽しそうに話しながら手伝っていました。そして愛犬のリンちゃんもとても穏和で、初めて会った私にでも「遊んでよ」とすり寄ってきました。
全てに、ご夫婦の人柄と仲の良さがにじみ出ていました。
希望以上のジャストサイズの家を手に入れたN様、ますます楽しい生活が待っているに違いありません。

和歌山で暮らそう。
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第35回 紀美野町 山口様「セルフビルドでストローベイルハウス」

紀美野町は、田舎暮らしを実践されている方も多い、自然が豊かな町です。和歌山県の県庁所在地・和歌山市からも遠くなく、山の中とは思えないおしゃれなお店があったりします。

今回は、紀美野町三尾川で土地を購入された山口様を訪ねました。
現在は和歌山県内の橋本市に住んでおり、休みを利用してこの地でストローベイルハウスのセルフビルドに挑戦しています。

小高い丘の上の平地。キャンプにも最適!

「ストローベイル」とは、藁(ストロー)を家畜の飼料用に圧縮加工したブロックのことで、このブロックを積み上げ、粘土を塗って壁にする家のことだそうです。
古くからの日本建築でも藁を混ぜ込んだ粘土で壁を作っていましたが、日本建築とは異なり、壁の厚さが40~50センチもあります。
山口様は、セルフビルドで家を造ろうと思って関係書籍などを見ているうちに興味をもち、ぜひ作ってみたいと思いはじめたそうです。

できるだけ廃材などを再利用し、ローコストで建築しようということで、屋根組みも竹を利用してみようと研究・準備中だそうです。
竹は丸く、寸法も一定ではないので難しそうですが、「プロじゃないんだから、それも楽しみ。いろいろと調べて、あとは作りながら考えていこうかな。」と、それも楽しみの一つのようです。

完成予想模型。作りながら考えるのも楽しみ。

もともと東京・横浜に住んでいた山口様は、7年前に同じ和歌山県内の橋本市に移住しましたが「せっかくだからもっと田舎に行ってみよう」と思い、何カ所も探したうえに、この地を見つけました。
谷川が合流する盆地状の集落の中で少し高台になっており、美しい棚田を望めます。古くからまわりに桜を植えられており、春は美しく咲き誇ります。
昨年の夏、ちょうど前の所有者が手放したところで紹介され、一目で気に入って購入されたとのこと。

古畳の「TATAMI HOUSE」内部

まずはストローベイルハウスを造る練習として、材料がよく似た古畳で「TATAMI HOUSE」を作りました。解体した古民家の厚い畳の廃材利用で、畳を壁材に土を塗り固めた小さな家です。
取材当日は少し蒸し暑かったのですが、中に入るとひんやりと涼しかったです。
まだ電気は来ていないので、泊るときは「TATAMI HOUSE」やキャンプ。取材当日も、前日からご家族でキャンプされており、テントやタープをたてて楽しんでおられました。

山口様は舞台照明デザイナーをされており、今も仕事の時は東京方面に向かいます。
それって大変なのでは?と言う問いに、
「仕事だけを考えれば東京に住むことになるけれど、環境は圧倒的に田舎がいい。それに楽しいしね。まとまった休みも取りやすいというのもあるけど、『田舎に住んでいても、都会で仕事ができる』っていうのを証明したいしね。」
と、こともなげに答えられました。

できあがったら、友人たちと集える場所にしたいと山口様。
まだまだ柱が立ったところですが、できてくればまた訪ねてみたいと思いました。

山口様のホームページ

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第34回 印南町 N様宅「日向ぼっこのできる庭」

印南町は、海沿いでは漁業が盛んで「かつお節」の発祥地ともされています。また、海沿いの丘陵地では温暖な気候を生かし、エンドウやスイカ、トマトなどの野菜類やスターチスなどの花卉栽培が盛んな、自然に恵まれた町です。
今回お伺いしたN様のお宅は、高速道路の御坊インターチェンジからも近く、車で少し走れば買い物にも便利なところです。
小高い丘にある小さな分譲地で、数軒はN様と同じように週末暮らしをされています。数軒は居住しているので、防犯上も安心とのことでした。

よく手入れされた庭の、日当たり良好な家

■以外と近い、週末田舎暮らし
N様は大阪で自営業を営まれており、月数回の「週末田舎暮らし」を楽しまれています。
ここに来るだけで大変では?と思ったのですが、自宅からは車で1時間半ほどなので、ほとんど苦にならないそうです。この家を選んだ理由は、物件が気に入ったというのもありますが、交通が便利なのも大きかったそうです。

■田舎暮らしを考えたのは、購入直前
N様ご夫妻は現在の田舎暮らしをすごく気に入っているようですが、以前はあまり「田舎暮らし」を考えたことはなかったそうです。
奥様は「日向ぼっこができる縁側や庭がある家が欲しい」と思っていたのですが、大阪で探してみたものの値段も高くなかなか難しい。そんなとき、友人に田舎暮らしの雑誌を見せられて心惹かれるものがありました。すぐに電話をして、物件を紹介してもらうことになりました。
そこで紹介されたのがこの物件。特に奥様は一目で気に入り、他の物件を見た後も「すぐにでも手付け金を払う!」というほど惚れ込みました。
ゴルフが好きなご主人様も、すぐ近くにゴルフ場があったので気に入り、その後まもなく契約となったそうです。
奥様の夢「日向ぼっこのできる縁側と庭」

■大事に使われていた庭を復活
今回訪問してまず驚いたのは、お庭がすごく綺麗にされていたことでした。
よく手入れされた庭木や石灯籠などがあり、購入して1年と少しとは思えないほど。しかしお話しをお聞きすれば、前のオーナーが残されていたものとのことでした。
前オーナーのご主人様が相当大事にされていたようですが、残念ながら亡くなられたとのこと。庭の倉庫には、手入れの道具もかなり残されていたそうです。
ただ、数年は住んでいなかったので、庭木の枝は伸び、雑草は生え放題でした。
もともと庭いじりをしたいという希望もあったN様ご夫妻は、「こんなに大事にしていた庭なのに、このままではかわいそう」と、ひたすら庭の手入れに精を出したそうです。一部は業者に依頼したものの、自分たちで剪定や草ひきを行い、黒ずんでいた石灯籠や庭石を磨くなど、月数回しか来られないほとんどの時間を庭の手入れに費やしました。
その結果、荒れていた庭は驚くほどの美しさを取り戻しました。
キッチンの窓からの眺め。初夏には蛍も。

■この家に決めたのは、なにかの縁
奥様は、「そういえば、ここに初めて泊まった晩、キッチンの窓の外にホタルが飛んでいてビックリしました。最近は、前のご主人様が庭を手入れしてくれそうな私たちを、この家に呼んでくれた、そしてホタルの光で歓迎してくれたのだと、勝手に思っています。それほどこの庭が大好きで、大事にしていきます。」とおっしゃっていました。
もちろん庭だけでなく家も大事にしてられて、大阪に帰るときは、家や庭に「またくるからね」と声をかけてから帰るそうです。
きっと前オーナーのご主人様にも喜んで頂いていることと思います。

■最後に
奥様に、「大阪にいるときは、お父さんのこんなうれしそうな顔、見たことがないんですよ。」と言いながら写真を見せていただきました。そう話す奥様自身も、とてもうれしそうでした。
ご夫婦ともに本当に幸せで楽しそうで、こちらまで幸せな気分になりました。お時間をいただきありがとうございました。

和歌山で暮らそう。
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第33回 かつらぎ町 斉藤様宅「通勤できる田舎暮らし」

かつらぎ町は和歌山県の北東部に位置し、果樹や串柿など四季折々の豊富なフルーツの町です。また町の中心部を紀の川が東西に流れ、世界遺産に登録された丹生都比売神社など、水と緑に囲まれた美しい町です。
自然いっぱいのかつらぎ町ですが、大阪府に接しておりJR和歌山線が紀の川と平行して走っているなど、交通も便利です。
今回お伺いした斉藤様のお宅は、紀ノ川沿いの幹線道路となる国道24号線沿いで、すぐ裏にはJR和歌山線が通っているなど便利な場所にあります。
母屋と広い庭に、新しく建てた木造りの作業場

■便利なところだからできる「通勤田舎暮らし」
実は斉藤様は、現在も大阪で眼鏡店を営業されており、「田舎暮らし」なのですが通勤をされています。
大阪に住んでいたときも一戸建てだったのですが、どうしても手狭で庭もなく、「いつかは家庭菜園もできる家に住みたい」と思っていたそうです。
また、趣味の木工をできる作業場を作るスペースも欲しかったそうです。
若い頃にはサーフィンをされていて、和歌山にはなじみがありました。5年ほど前には、和歌山県の海沿いの印南町に別荘を買ったそうですが、別荘では休みの日にしか行けませんでした。そこで「通常の生活もできる田舎暮らしをしたいと思い、現在の家に決め、奥様とご両親と一緒に住むようになったそうです。
母屋はご両親も暮らしやすい和風の平屋。
近所の子供が遊びに来るので、鉛筆型の門柱を自作。

■家族みんなで、無理をしない田舎暮らし
現在の家を決められたポイントは、
1. 緑も豊かながら、通勤もできる交通が便利な場所
2. 庭が広く、木工の作業場もできる
3. ご両親と一緒に住むため、福祉サービスも利用でき、
病院なども近いこと
などでした。
現在の家は幹線道路近くですが、周りを果樹園に囲まれ緑も豊か。それでいて日常の買い物にも便利。また役場や消防署・病院(県立医大紀北分院)なども近く、何かあったときも安心です。
ご両親は地方出身で、大阪では高齢になってからあまり外に出なくなっていました。ところがこの家に越してからは、庭に出て日向ぼっこをしたり畑を見たり、大阪で住んでいた頃よりも生き生きとしているように見える、と斉藤様。
もちろん斉藤様と奥様も、毎日が充実されているそうです。
田舎暮らしというと生活には不便というイメージがありますが、通勤には少し時間がかかるだけの「無理をしない田舎暮らし」を実践されています。

■地域に溶け込んで
便利な場所とはいえ、農村地帯なので町内の活動も活発。斉藤様も最初はとまどったそうです。しかし、近所の方も果物や野菜を届けてくれたり、近くの子供が遊びに来たりして、すぐに溶け込めたそうです。
まだしばらくはお店も続けますが、ゆくゆくは完全に定住して、木工や近隣で田舎暮らしをしている知人との交流など、「時間がいくらあってもいい」毎日を過ごされたいとのこと。
斉藤様の人柄と若さなら、きっと充実した田舎暮らしを続けていかれることと思います。
作業場兼、斉藤様の「城」。
時には町内の会合も。

>>斉藤様の木工ホームページ(K’s WOOD WORKS)

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第32回 有田川町 永田様宅「時間がゆっくり流れる古民家」

有田川町は和歌山県のほぼ中央に位置し、その名のとおり有田川に沿って東西に細長い形状をしています。南北を山に挟まれ、東側は紀伊山地で奈良県にも接しています。西は有田川の河口に位置する有田市に接し、境界付近には高速道路の有田ICがあるので、町の入口までのアクセスは良くなっています。
今回お伺いした永田様のお宅も、有田ICから車で20分程度と便利なところながら、山間からみかん山を上った、眺めも良く気持ちのいい場所に立つ古民家でした。
永田様は大阪生まれで、Iターンで和歌山県にやってきました。ご主人は大阪で勤めていたのですが、林業関係の仕事があり、7年前にご夫婦で日高川町に引っ越してきました。
このコーナーで紹介する方は、退職されてから第二の人生を楽しまれている方が多いのですが、永田様ご夫婦は「この集落でいちばん若いかな」という若さです。
もともとアウトドアが好きで、和歌山県には良く来ていたそうです。奥様も田舎暮らしには賛成で、ご夫婦揃って理想の田舎暮らしを始めました。
奥様は天然酵母のパン教室など、古民家でワークショップを開催されています。現在、パン工房にむけて準備中です。
今回お伺いした古民家には昨年の8月頃引っ越してきたそうなのですが、それまでIターンしてからの約7年間、理想の古民家を探していたそうです。

木が好きな永田様は、木でしっかり作られた古民家を探していたのですが、最近は農村部といえども古民家は残っていません。それでも妥協せずに探していたところ、紹介されたのが今回の家。「スエタカさんに連れてきてもらって、ひと目みて決めました。」とのことで、理想にぴったりの古民家でした。
古いだけでなく、直前まで住んでいたので母屋は手入れもされており、数年前にリフォームしたことから、浄化槽があり水回りも不便はありません。
築100年ほどになる母屋は、典型的な古民家の「田の字」の間取りと土間、そのうえ庭を挟んで立派な長屋門があります。ほかにもかなり傷んではいますが、3部屋続きの離れに、蔵もあります。
チェンソーアートもされるご主人は、休みを利用して少しずつリフォームしていくのを楽しみにされています。
現在は比較的新しい長屋門を改装中で、パン工房の調理場やお客様のランチスペースにする予定だそうです。

取材に訪れたとき、懐かしい作りの古民家に入り、奥様の天然酵母パンをいただき、この生活のすばらしさを熱くやさしく語るお二人と話していると、気がつけば予定の時間を大幅にオーバーしてしまいました。環境、家、そして永田様ご夫婦。あまりの心地よさに、時間の感覚がマヒしていたようです。貴重な時間をいただきありがとうございました。

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