第32回 有田川町 永田様宅「時間がゆっくり流れる古民家」

有田川町は和歌山県のほぼ中央に位置し、その名のとおり有田川に沿って東西に細長い形状をしています。南北を山に挟まれ、東側は紀伊山地で奈良県にも接しています。西は有田川の河口に位置する有田市に接し、境界付近には高速道路の有田ICがあるので、町の入口までのアクセスは良くなっています。
今回お伺いした永田様のお宅も、有田ICから車で20分程度と便利なところながら、山間からみかん山を上った、眺めも良く気持ちのいい場所に立つ古民家でした。
永田様は大阪生まれで、Iターンで和歌山県にやってきました。ご主人は大阪で勤めていたのですが、林業関係の仕事があり、7年前にご夫婦で日高川町に引っ越してきました。
このコーナーで紹介する方は、退職されてから第二の人生を楽しまれている方が多いのですが、永田様ご夫婦は「この集落でいちばん若いかな」という若さです。
もともとアウトドアが好きで、和歌山県には良く来ていたそうです。奥様も田舎暮らしには賛成で、ご夫婦揃って理想の田舎暮らしを始めました。
奥様は天然酵母のパン教室など、古民家でワークショップを開催されています。現在、パン工房にむけて準備中です。
今回お伺いした古民家には昨年の8月頃引っ越してきたそうなのですが、それまでIターンしてからの約7年間、理想の古民家を探していたそうです。

木が好きな永田様は、木でしっかり作られた古民家を探していたのですが、最近は農村部といえども古民家は残っていません。それでも妥協せずに探していたところ、紹介されたのが今回の家。「スエタカさんに連れてきてもらって、ひと目みて決めました。」とのことで、理想にぴったりの古民家でした。
古いだけでなく、直前まで住んでいたので母屋は手入れもされており、数年前にリフォームしたことから、浄化槽があり水回りも不便はありません。
築100年ほどになる母屋は、典型的な古民家の「田の字」の間取りと土間、そのうえ庭を挟んで立派な長屋門があります。ほかにもかなり傷んではいますが、3部屋続きの離れに、蔵もあります。
チェンソーアートもされるご主人は、休みを利用して少しずつリフォームしていくのを楽しみにされています。
現在は比較的新しい長屋門を改装中で、パン工房の調理場やお客様のランチスペースにする予定だそうです。

取材に訪れたとき、懐かしい作りの古民家に入り、奥様の天然酵母パンをいただき、この生活のすばらしさを熱くやさしく語るお二人と話していると、気がつけば予定の時間を大幅にオーバーしてしまいました。環境、家、そして永田様ご夫婦。あまりの心地よさに、時間の感覚がマヒしていたようです。貴重な時間をいただきありがとうございました。

和歌山で暮らそう。
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